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現代史資料としての「石川一郎文書」

 その活動が財界のトップとしての役割に基づくものであっただけに、文書として収録されている諸機関、各種の審議会などの幅が広く、戦時期から戦後復興期にかけての経済政策の立案に関わる民間側の記録文書としては、最も重要かつ有用な資料ということができる。その内容を大別すると三つ程のグループがあり、第1のグループが化学工業統制会と化学工業連盟のファイル、第2のグループが関係した政府審議会、民間諸団体、会社のファイル、そして第3のグループが戦後10年間の活動の主たる舞台だった経団連と日産協のファイルであるが、そのいずれもが、産業史、経済政策史の研究にとって第一級の資料である。(中略)今回のマイクロフィルム版の刊行にあたって、この文書資料が多くの新しい研究を生み出す源泉になることを期待すると同時に、このケースを一つのヒントに、失われつつある貴重な文化的遺産である企業や官公庁等の文書記録について、その保存と公開の道が切り開かれることを願っている。(収録概要目録解説より)

武田 晴人(東京大学経済学部教授)


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