近代日本美術界において、ジャポニズムに向けた殖産興業と伝統的な美術工芸の復興が結びつき、『絵画叢誌』の発行元である東洋絵画会はこの時期結成される。本誌創刊号の発行要趣では「泰西」を意識した「本邦」の近代化・拡張を視野に入れつつ、「専ら絵画学術上の参考に供せんと欲す」「絵画に至りては…(中略)雑誌の印行は唯に本誌の一あるのみ」といったように、伝統的絵画の振興を率いる一団体としての自負に満ちている。本誌が、「泰西」と出会った日本美術界が起した伝統復帰への動きを示すとともに、当代著名画家の挿図はもちろん、展覧会の記事や西洋画に関する記事も多く取り入れるなど、豊富な時事的要素も注目できる点である。 |