刊 行 の 辞

東京大学大学院経済学研究科教授 武田 晴人

 『証券処理調整協議会資料 企業別資料編』は、既に刊行されている『証券処理協議会資料 協議会資料編』と一対をなす資料群をマイクロフィルム化したものである。この資料群は、証券処理調整協議会が証券処理の対象とした株式の発行企業に関する、企業別のファイルによって構成されている。
 収録企業の総数は1676社(断簡7社を含む)となり、戦後復興期の有力な企業をおおむねカバーしている。この時期の企業資料としては、『工鉱業関係会社報告書』が1945年秋の調査として、戦時期を中心とした企業活動の記録としては重要であるが、この資料はそれに続く時期の貴重な企業資料であり、しかも、『工鉱業関係会社報告書』とは異なり、非製造業部門の企業も含んでいるという意味でも貴重なものである。
 個々の企業ファイルは、協議会が売却などによる株式処分を実行する際に必要となった適正な売却価格の設定のための企業情報などが綴じられたものである。基本的な情報源となるのは、協議会が定めた様式に基づく調査個票と、これに添付を求められた考課状・営業報告書・会社概要などの資料である。有価証券報告書などの企業情報の公開が整備される前の時期だけに、この資料が企業資料として貴重なものであり、戦時戦後の企業史研究に大きく貢献することは疑いない。本資料が広く活用されることを願っている。

証券処理調整協議会資料へ]  [注文フォームへ]