第二次世界大戦終了後、財閥解体、戦時関係機関・外地機関の閉鎖、財産税等の理由で、当時の全株式会社払込資本金の約半分に達する巨額の証券が日本政府に集中した。このようにいったん半国有化された日本の会社を民有に移行させる役割を果たしたのが証券処理調整協議会(SCLC)である。同協議会は1947年6月に、大蔵省国有財産局長、持株会社整理委員会会長、閉鎖機関整理委員会会長、日本銀行関係理事、商工省産業復興局長の5名を構成員として発足し、証券処分の完了にともなって1951年7月に解散した。
証券処理調整協議会の主な目的は、市場を混乱させるのを避けながら巨額の政府所有証券を処分すること、それを通じて株式所有の分散化を促進することとされた。いいかえれば、証券処理調整協議会は、持株会社整理委員会と並んで財閥解体の一翼を担うとともに、大衆投資家を基盤とした証券市場を育成することを目的としていた。同委員会に関する資料としては、解散時に自らがまとめた『S.C.L.C.業績誌』があり、これによってその組織と活動の概要を知ることができる。しかし、この43頁の小冊子以外に、同委員会に関する利用可能な資料はこれまで少なかった。同委員会の活動が、持株会社整理委員会に比べてあまり研究されてこなかった理由の一つはそこにある。今回マイクロフィルム化される資料は、500冊余にのぼる同委員会の内部資料であり、その分析によって証券の政府による集中と再分散が証券市場の発展に与えた影響が明らかになることが期待される。