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Net Pinus 60号
図書館の珠玉 
大学図書館所蔵稀覯書紹介
2005/06/20
専修大学 図書館だより 53号 2004.7 「シリーズ ムーサの神殿(貴重書紹介)」より引用、加筆
17世紀、西欧に流布した不思議な日本のイメージ
モンタヌス「日本誌」
Montanus, Arnoldus (1625?-1683)
Atlas Japannensis: being remarkable addresses by way of embassy from the East India Company of the United Provinces, to the Emperor of Japan.
London: Printed by T. Johnson for the Author, 1670.
「日本誌」タイトルページ
「日本誌」装幀

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人々 1 2
風景・建物
宗教関係
その他

モンタヌス『日本誌』のタイトルは、いくつかあり『日本遺使紀行』『東インド会社遺使録』『オランダ東インド会社日本帝国遺使紀行』『オランダ連合東インド会社の日本皇帝への主要なる遺使』としても知られています。「日本誌」イメージ1
ラ イデン大学に学んだカルヴァン派の牧師アーノルダス・モンタヌス(1625 年頃―1683 年)※1が、東インド会社から日本に遣わされたオランダ使節や宣教師の報告・日記など16 、17 世紀の膨大な資料をもとに、海外で始めてまとまって日本を著述したものです。 
 モンタヌス自身は来日したことがなく、中にはオランダ商館長の江戸参府日誌など公の文書を利用した記事もありますが、記述は全般に興味本位的な推測をともなったものが多く、誤述も随所に見受けられます。収録されている挿画の人々や風俗も実際の日本のそれとはかなりかけ離れており、想像によって描かれたものであることがわかります。
「日本誌」イメージ2 しかし、当時鎖国中であった「神秘の国」日本へのヨーロッパ人の興味はつきることがありませんでした。1669 年アムステルダムで初版が刊行されると、同時に独訳、翌年に仏訳、英訳がそれぞれ刊行され、その後も抄訳を含む多くのものが刊行されました。日本語訳(大正14 年刊)は、和田萬吉博士が英訳本を抄訳したものです。
大 坂から江戸、大坂から長崎までの地図をはじめ、大坂城、出島図、キリスト教徒迫害図、明暦大火図など日本の風物を描いた多くの図版を含み、正確な日本の姿を世に知らしめたケンペルの『日本誌』※2出現まで、鎖国下の日本に関する百科事典的な役割を果たしました。いずれにせよ17世紀の西欧人に“日本”像形成に多大な影響を与えたことに変わりはなく、「ガリバー旅行記」など多くの著作がこの書をもとに書かれました。

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※この度2004 年4 月に専修大学図書館所蔵の英語版“Atlas Japannensis ”
と日本語版『日本誌』が復刻された。編集および『別冊解題・索引』の作成は、島田孝右本学商学部教授。書誌学的説明、索引、日本関係地図を掲載する英国の刊行物一覧、また日本語訳つきの折込地図がある。
専 修大学図書館はオランダ語版初版(1669 )、ドイツ語版(1669 )、英語版(1670 )、フランス語版(1680 )、日本語版(1925 )を所蔵。

「日本誌」イメージ3(※1)モンタヌスについて(1625〜1683)
Anoldus Montanus van Bergen
オランダ人牧師、著作家。ライデンで神学のち哲学を学んだ。53年スヘリングオウデ、67年から没年までスホンホーフェンの牧師ならびに同地のラテン学校の校長を勤めた。海将ヨハン・ファン・ハーレンの行実、英・蘭海戦史など17世紀を中心とするオランダの海事史や、フレデリック・ヘンドリック、ウィレム・ヘンドリックらオラニエ家頭領の伝記など歴史書を数多く編纂した。特にその著「日本誌」は各国語に訳されて、早い時期に日本の事情を伝えた書として世に宣伝された。

(※2)ケンペル「日本誌」について
Geschichte und Beschreibung von Japan. 2vols. 1777-79
日本を正確にヨーロッパに紹介した最初の著作。1690から2年間、日本に滞在したケンペル(Engelbert Kaempfer, 1651-1716)の日本での見聞記を彼の死後イギリスのスローン卿が買い取り、ロンドンのスイス人医師ショイヒツァーに英訳させ、刊行したのが最初(1724)。つづいて仏訳、蘭訳と版がでたがケンペルの遺稿に基づくドイツ語訳は英訳本がでてから50年後であった。日本の歴史、地理、政治体制、宗教、長崎の貿易、蘭人江戸参府への随行等、実際にケンペルが日本で見聞したことをまとめた大著である。

60号 2005/06/20
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