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Net Pinus 62号

雄松堂フォーラム2005

2005/12/27
発見された古代エジプト

「エジプト誌」画像紹介 その2(古代編)
以下の画像はクリックすると拡大します

13.
13 テーベ 地下墳墓のミイラ
(女性、猫、その他の動物)

人間や、動物のミイラの図版がエジプト誌にはたくさんあります。エジプト遠征の頃から本格的にエジプトミイラの技術が研究され始めました。ミイラは後に魂がもどってきて肉体を使うため、体をきずつけずに、鼻から脳を、肛門から内蔵を取り出します。ぬきとられたものはカノポス壷といわれる壺に保存されました。実はエジプト誌の前からミイラは薬として輸出されていました。日本でも“みるら”(木乃伊)という薬が中国を経て伝わっています。先月群馬県立自然史博物館で「ニッポン・ヴンダーカマー 荒俣宏の驚異宝物館」という企画展で昔の薬屋を再現するといった展示をしました。ユニコーンの角だとか、河童の手だとかが秘薬として当時、薬屋でうられていたのですが、薬屋の藏の中から出たミイラの頭そのものがあり、日本でも薬として使われていたのだなとつくづく実感しました。

地下墳墓のミイラ

14.
14 テーベ 地下墳墓のミイラ
(ワニ、蛇、犬)

今から考えると驚くほどエジプト誌の時代はワニや猫のミイラを一生懸命研究していました。当時、生き物は進化するのかという進化論の前章のような研究が進められていて、何千年も前の生物を研究することによりその結論が出せると考えられていたのです。もちろん何千年前のワニと当時のワニを比べたところで殆ど違いなど見いだせませんから、この研究からは生物の進化はない、神が創ったままであるという結論に達したようです。ちなみにエジプトはワニが大変多く、研究者たちはしばしば悩まされました。どうにかしてワニを飼い慣らし、ワニの背にのってナイルを探検しようと訓練までしたようです。

地下墳墓のミイラ

15.
テーベ カルナク
宮殿列柱広間入口に置かれたラムセス2世の巨像

廃墟趣味がよくでている図版です。古代ギリシア・ローマなどの遺物をモチーフにしたジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージという版画家が当時、大変人気があり、その流行に便乗しているのではないかと思われます。

ラムセス2世の巨像

16.
デンデラ 
大神殿上の部屋の天井に彫られた12宮図

ヌードの天球の女神と天球がサークルが配置されています。このサークルは一年のサイクルでカレンダーになっています。天秤座などの今の12宮の元になるものが描かれており、私が大学生だった頃星座占いに凝っていたので、これは大変興味深く見たと記憶しています。ただしこの様な12宮の星占いがはっきり行われるようになったのはエジプトの中でも中期位と言われています。ちなみに12宮の中の獅子座、ライオンはエジプトの天体図でかなり重要な役割を担っていました。アレキサンドリアの博物館の遺物を眺めると至るところ、特に水場にライオンの彫刻が見られます。エジプトでは獅子座に太陽の入る季節は洪水期にあたり、肥沃な土地をもたらします。つまりライオンとナイルのたまものは切り離せないものであり、そういったことから水場のシンボルとしてライオンを使ったわけです。

天井に彫られた12宮図

17.
デンデラ 円柱

デンデラはハトールという死の女神を祭った祭壇があったので、彫られている女性はその女神の顔でないかと思われます。版画に色がついているので初版です。

デンデラ 円柱

18.
フィラエ島 大神殿柱廊内部を望む

非常にカラフルな神殿図ですが、当時の状況を再現した復元図、いうなればヴァーチャル画像です。フィラエ島はナイル上流部にあり、プトレマイオス朝という古代エジプトでも比較的新しい時代なので再現が可能だったのでしょう。
神官が立っていますが、エジプトの神官が坊主であることに当時のヨーロッパ人は大変驚きました。そして中国人とコスチュームなどの格好が大変似ていることから、文明を共にしたのではないかという、中国同祖説まで唱えられました。

メンフィスのピラミッド

19.
デンデラ 大神殿柱廊内部の遠景

これも復元図です。すごいのは何時頃の太陽かが分かるように描かれている点です。斜めに光が射し込んでおり、この中がどのくらい暗いかが表現されています。さらにその光がスポットライトのようにハトールの儀式を浮かび上がらせています。先程申し上げたようにハトールは死の女神ですから、死に関する再生、復活の儀式ではないかと思われます。
この様な図版は学者でなくても、科学的にもロマンティックな意味でも充分楽しめます。エジプト誌は900枚以上の図版が使われていますが、それ程の図版を使わないとエジプトの情報を提供できない、すごいフィールドであることがおわかり頂けるかと思います。

デンデラ 大神殿柱廊内部の遠景

20.
デンデラ 北正門の全景

古代エジプトの神官が描かれているのでこれも復元図です。奥にナイル川が効果的に見え、劇的でドラマティックな絵になっています。

デンデラ 北正門の全景

21.
テーベ 王家の谷にある彩色壁画の一部

通称「竪琴の間」といわれる部屋の一部で、皆ハープを弾いています。これを見ると古代エジプト中期、黄金期のエジプト人の暮らしぶりがわかります。

王家の谷にある彩色壁画の一部

22.
エレファンティネ島とアスワン

一番上流の辺りの眺めですが殆ど水没してもう今はありません。シャンポリオンがこの地にヒエログリフに研究に来ましたが、彼が来たときにはもう殆ど水没してしまっていたというエピソードが伝えられています。

エレファンティネ島とアスワン

23.
テーベ カルナック 
廃墟の地形図

つくづく感心するのは、当時こんなに上空から眺められるわけがないのに想像だけでこんなヴァーチャル画像ができたなということです。砂漠の状況や地形の凹凸がかなり詳しく描かれており、現在から見ても当時の測量の技術者達には感心します。

テーベ カルナック

24.
フィラエ島とその周辺の全景

古代エジプトの歴史の中では新しい遺物がたくさんあるところです。これも上から投影したものです。

フィラエ島とその周辺の全景

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62号 2005/12/26
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