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今回金賞に輝いた本書はこれほどの重量感のある本はめったにないと驚きました。内容は本木昌造の生涯をまとめ、彼の業績である蝋型電胎法の成功を紹介したものですが、その際、古書を調べてまとめるだけという紙の上での知識として紹介するのではなく、実験して当時のまま現代に再現しようとした大変な意欲作です。その様子・過程に解説を加えて誰でもわかるようになっています。細かく深い知識を得られる様に書かれていてすばらしい内容であると思います。
造本も美しく、ここまでやるかというくらいに徹底した精神が込められています。このような試みの本は、今までになかったわけでもないですが、本書は群を抜いているということで、金賞に推薦させていただきました。活字を研究すると言うことにどのような意味があるかということは最初の2-3ページで明らかになります。金属活字がよみがえることはないでしょうが、あらゆる近代の局面を開き、現代の文化を築きあげてきたこと、現代のデジタルフォントが金属活字の伝統の上に成り立っていると納得させてくれる作品です。実験的手法を通じて体感的に活字文化の重要性や、技術が文化を形作っていくことの大切さを教えてくれた清々しい本、重量感のある本ということで金賞に至ったわけです。
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