Pinus_logo Pinus_logo Pinus_logo
雄松堂Net Pinus 62ゲスナー賞授賞式>受賞者代表のコメント

Net Pinus 62号

ゲスナー賞授賞式

2005/12/27
ご挨拶 新田満夫氏
受賞写真
総評 紀田順一郎氏
選評 高宮利行氏
選評 林望氏
受賞者コメント 森澤嘉昭氏
森澤嘉昭氏
森澤嘉昭氏

 この本を造るのに6年の歳月がかかりました。本木昌造は幕末−明治にかけて活躍した、もともとはオランダ語の通詞(通訳)でしたが、最後に活字を完成させました。長崎・諏訪神社に三千数百個の活字を作るための種字が保存されていました。たまたまそれを見る機会があり、非常に感銘を受けたのです。

 しかし、ただおいてあるだけで死んでいるも同然の状態でした。これを何とか活かしたいということで、調べてみると製法の古書が出てきました。それを翻訳することから始めましたが、それは非常に興味深い内容でした。さらに調べてみますと、東京に活字の外字を作る彫り師がいまして、廃業寸前ではあったのですが今なら作れると言うことでしたので、やるなら今だ、と。諏訪神社も東京への持ち出し許可を出してくれまして、非常にスピーディーに進行しました。ただ、明治初めと現代では技術の差も大きく非常に大変な作業となりました。

森澤嘉昭氏
森澤嘉昭氏

 この本への評価ですが、2年前に日本印刷産業連合会の造本装幀コンクールで特別賞を受賞し、この本も一応は認められたと喜んでいたところ、昨年ドイツ/ライプツィヒで行われた本のコンクールでゴールデンレター賞(*『世界一美しい書籍』 コンテスト最優秀賞)を受賞しました。日本語でできてはいますが、専門家が見ればただ単にきれいな本ということでないのがわかるのでしょう。実際に実験して、活字を復元したということの価値が大変素晴らしいものと、私も自負しております。

 そして今回、ゲスナー賞があることは知ってはいましたが、まさか受賞できるとは思ってはおりませんでした。これで3度目の受賞です。板橋の支店に本書がおいてあるので、機会があれば是非見ていただきたい。また、活字を復元する際に3つセットを造り、それらは凸版の印刷博物館・本木昌造が長崎の次に活字所を造った大阪の印刷組合、そして長崎の印刷組合に寄贈させていただきました。是非こちらもあわせてご覧になっていただきたいと思います。

62号 2005/12/26
 [目次に戻る]  

Net Pinus