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| Gesner, Conrad, 1516-1565. |
| Historia Animalium. |
| (博物学) |
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ルネサンス期には、いわゆる地理上の発見ををつうじて珍しい動植物がヨーロッパにもたらされ、活版印刷術の広まりとともに、各種の図譜が刊行された。16世紀のヨーロッパでは、必ずしも博物学について学的体系化が見られたわけではないが、動植物の百科事典的記述が行なわれ、様々な著作が刊行された。ゲスナーの主著であるこの『動物誌』は、それらの書物を代表する作品のひとつに数えられている。
ドイツ系スイス人のコンラート・ゲスナーは、自然科学者でチューリヒの大学の博物学教授として知られ、近代のプリニウスとも称される人物である。彼は、1516年に毛皮職人の息子としてチューリヒに生まれたが、生活が貧しい上、兄弟が多かったため母方の大叔父にあずけられた。チューリヒの司祭であった大叔父は植物学に造詣が深く、自宅の庭に多くの植物を栽培しており、幼いゲスナーに深い感銘を与えた。ゲスナーは、奨学金によって勉強を続け、書誌学、医学、神学などのあらゆる知識を修め、博物学者としてラテン語、ギリシャ語、仏語、英語など外国語に通じていた。
本書は、16世紀までに観察され、記述された動物と植物に関する著作を集大成するという構想に基づいて刊行されたものである。本書の編纂に際してゲスナーは、徹底した収集と観察により分類を行なった。木版による図版は、約1,200葉を収録しており、彼自身の観察によるもののほか、それまでの多くの書物から引用した。自分の知らない動物の図は、友人を通じて広く取り寄せるとともに、様々な国からも動物を送らせスケッチした。
動物名は、アルファベット順に配列され、それぞれの動物についての精細な挿絵とともに、(1)各国語による名称、(2)生息地、生活様式・外部および内部の形態、(3)生理学および病気、(4)習性・本能・心理的特徴、(5)動物の利用、飼育、狩猟、管理、(6)食料としての動物、(7)薬学における効用、(8)名称の語源(岩石・植物・人間・河川・都市・寓話・聖なる動物・格言に登場する動物の名称)などが記されている。
ゲスナーがラテン語でつけた動物名には、現代動物学の学名に受け継がれている例が多く、動物学における重要な命名者のの一人と言える。挿絵では、アルブレヒト・ヂューラーの原画をもとに製作されたサイの木版画が特に有名である。
「動物誌」は、1551年に第1巻の刊行が始まり、たった7年という短い期間のうちにゲスナーは、フォリオ(二つ折り判)の全4巻からなる厖大な著作を刊行した。第5巻はゲスナーの没後20年経ってから、未完の遺作として出版された。内容は、第1巻が「胎生四足類」、第2巻は「卵生四足類」、第3巻は「鳥類」、第4巻は「魚類と水棲生物」、第5巻は「ヘビ類とサソリ類」についてである。予定としては、第6巻として「昆虫」があったが、刊行されることはなかった。全5巻の刊行が終わったのは1587年であった。 |