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新古書への扉-古書の愉しみは十人十色-
専門知識がないと・・・そんなイメージを古書に持っていませんか?
実は古書の愉しみ方は100人100通りなのです。もっと気楽に、自由に古書を眺めてみましょう!
文字を読んで先人の知識を探求するのはもちろんですが、本はそれだけではありません。精巧な皮装幀から職人のこだわりに感銘をうけたり、写本のタイポグラフィーに斬新さを発見したり、一枚の美しい挿絵をぼんやりとながめてみたり・・・。ちょっと手ののばしにくい古書の世界に通じる扉・・・どの扉から入っても結構です。是非一度、古書の奥深さを覗いてみませんか? |

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今回は、日本最初の漫画雑誌、奇才ワーグマンの諷刺画が満載の「ジャパン・パンチ」を紹介いたします。
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「ジャパン・パンチ」1865-1867年
The Japan Punch.
Yokohama: (Charles Wirgman), 1865-1867.
Including 17 issues (5 dated 1865, 10 dated 1866, 2 dated 1867). Numerous comic illustrations by Charles Wirgman (many full-page), accompanied by printed calligraphy, in the last 2 issues, a mixture of printed calligraphy and typescript, printed on Japanese soft paper, occasional marginal tears. Bound in contemporary cloth boards, spine and joints rubbed, expertly rebound and repaired.
※本書に関しまして小社古書部にお気軽にお問い合わせ下さい。
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「ジャパン・パンチ」(写真1)
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「ジャパン・パンチ」は、「イラストレイテッド・ロンドン・ニュース」の特派員画家のワーグマン(Charles Wirgman, 1832-91)により1862年に創刊された月刊誌です。イギリスの諷刺雑誌の「パンチ」を模したものであり、ワーグマンによる諷刺画が多数収録されています。
今回は1865年から1867年に出版された17号が1冊に合本されたものをご紹介いたします。
「ジャパン・パンチ」は日本最初の漫画雑誌と言われており、日本の外国人居留地に滞在している西洋人向けに横浜で出版され、すぐに人気を博しました。
各号のタイトルページには、ワーグマンが自身の分身として描いていたMr.パンチが和装で真ん中に立っています。(写真1)本文中の記事は、Mr.パンチの視点で書かれており、挿絵にもMr.パンチは頻繁に登場します(写真2,3)
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(写真2)
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(写真3)
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ジャパン・パンチは、一時休刊していた時期もありましたが、1862年から1887年にわたって、人々に愛読されました。1866年までの本文は、ワーグマンの手書きの文字がそのまま印刷されています。(写真4)1867年からは、活字の本文になっています。(写真5) |
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(写真4)
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(写真5)
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「ジャパン・パンチ」には、日本政府に対する意見等の記事などが多く見られる一方、ワーグマンが体感した、ごく普通の日本での日常生活の様子も記されています。
例えば、「Market Report」と題した記事には、布製品や油、豆などの販売価格に関する個人的な感想を記しており、絹の項目には「未だにとんでもない値段」(Silk- Prices still preposterous)(写真6)、豆の項目には「これに関しては公正」(Beans- A fair business has been done in these)と書いています。
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(写真6)
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また、在日外国人がスポーツなどの余暇を楽しむ様子も多数描かれています。とくに、競馬や狩猟の場面が描かれているものは多く、当時人気のスポーツだったことがわかります。(写真7~10)
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ところどころに漢字や日本語が書かれている挿絵もあり、ワーグマンはある程度漢字も書けたのだと思われます。(写真11-13)
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また、ライバル視していた「ジャパン・タイムズ」や「ジャパン・ガゼット」などの英字新聞についてもしばしば記事にしています。(写真14、"The Rivals"(ジャパン・タイムズの号外が配られている図)) |
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(写真14-1)
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(写真14-2)
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西洋人むけの雑誌だったためか、挿絵に登場するのはやはり西洋人が多く見られます。日本人も描かれていますが、彫りの深い西洋人の表情はそれなりに細かく描かれていることが多いのに比べ、日本人の顔、特に目は点や線二本くらいで簡素に描かれていることが多いように見えます…。(写真15)また、1867年以降は、眼鏡をかけた日本人や、洋装の日本人も登場し、日本人の服装の移り変わりも見て取ることが出来ます。(写真16,17)また、西洋人から見たアジア人は、どこの国の民族も同じように描かれていることがよくありますが、ワーグマンの場合は同じアジア人でも、日本人とその他のアジア人(おそらく中国人)は全く違った特徴で描いており(写真18)、各民族の特徴を上手く捉えて、シンプルにそれを表現していたことからも、ワーグマンの優れた洞察力をうかがい知ることができます。 |
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(写真15)
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(写真16)
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(写真17)
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(写真18)
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ジャパン・パンチは、今では揃いで古書市場に登場することは滅多になく、今回弊社が入荷した17号合本1冊も大変貴重なものです。
11月に行われる図書館総合展内の雄松堂ブースで行われる古書展では、本品を展示致します。
ワーグマンが描いた日本の風景を、古書展で実際にご覧になってみませんか?
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関連商品のご案内
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復刻版 オンデマンド版
The Japan Punch 1862〜1887年
1862年(文久2)5月〜1887年(明治20)3月
主筆:チャールズ・ワーグマン 解説:金井 圓
オンデマンド版
B5判 上製本 ISBN 978-4-8419-3197-6
全10巻 総頁 3100頁
「イラストレイテッド・ロンドン・ニュース」の特派員画家として1861年に来日したチャールズ・ワーグマン(1832-1891年)は、東禅寺事件などの政治・歴史的事件のみならず、風俗や日常生活を25年間も報道し続け、高く評価されている。彼が創刊した本書は、ポンチ絵といわれる独特のタッチに諧謔と風刺を織り込み、幕末・明治の動乱期を活き活きと伝えている。
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