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雑誌『日本浪曼派』は昭和十年三月、新保光太郎、亀井勝一郎、中島栄次郎、中谷孝雄、緒方隆士、保田与重郎の六人によって創刊され、爾後、『青い花』同人の太宰治らが加わり、終刊時では五十名以上の同人を擁する文学運動を展開し、二十九号をもって終刊した著名な文学同人誌である。
創刊の辞で「今日文学する青年の精神は、正に前代未だ知らざる切迫の極点に形成され、而て未だ多く常に先代の糟粕を嘗めて去執に迷ふ。僕ら乃ち進んで浪曼派を云ふ、この包蔵せる意識に将に道を拓かんとする。或ひは常住内に思ひて心痛しとするもの、我が古典の未樹、我が趣味の未修にある。今漸んで新文学を唱へ、以てこの営為に問ふ有らむとする。芸文の道散りて多岐に遠く、心進んで文学の業また就り難い。僕ら今にして多難の道のため、『日本浪曼派』創刊を以て、世の真諦の知識人に応へんとする。青春一臂の情熱以て世に為すあらずんば、我が芸文の進展亦暫時止まん」と骨格を明らかにした日本浪曼派の文学は、評論に、詩に、小説に共通の浪曼精神を漲らせ、当時の青年たちに時代の青春の歌を与え、魅了し、昭和十年代初期の日本文学に強烈な足跡を残したのである。
戦後から今日まで、『日本浪曼派』はさまざまな視角から俎上にのぼせられたが、『日本浪曼派』の文学運動が何だったのか、その本質規定は依然として明らかにされていない。今回、研究者、専門図書館などから要望が強かった、復刻版『日本浪曼派』をオンデマンド版で再版することになった。原本に忠実に再現された全号を総覧することにより、『日本浪曼派』の理解がより一層深まることを期待する。
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