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大橋健三郎
前田絢子教授(フェリス女学院大学文学部)と荒このみ教授(東京外国語大学)監修の、ほとんどがグリーンウッド出版グループ刊行になる事典の翻訳『アメリカ文学ライブラリー』全16巻が、いよいよ今春5月より2008年1月まで4回に亘って、3〜5冊ずつ刊行されるという。対象になっている作家・詩人は、ホーソーン、ポウ、メルヴィルなどの古典的作家から、19世紀トウェインやH・ジェイムズ等のいわば中期の小説家、さらにドライサー、パウンドほかの世紀末から20世紀初頭へかけての代表作家、そしてフォークナーから現代のトニ・モリスンやアップダイクへと現代作家に及び、すべて事典形式になっていて、それぞれ名の知れたアメリカの専門研究者の著で、わが国の有能なアメリカ文学者たちがそれらの翻訳に当たっている。
出版順序は作家の年代順ではなく、例えば第1期刊行は、ホーソーンのほかはフォークナー、モリスン、アップダイクと、現代作家事典になっていて、現代と過去を繋ごうとする監修者の意欲的な配慮を思わせる。――かくしてアメリカの文学を専門の研究対象としている者に対して、手ぬかりなく研究対象である作家の諸特質を視界に収める便宜を提供するだけでなく、一般の文学愛好者にも楽しく役に立つ鑑賞の手引きとなり、研究室、図書館で役に立つことは疑いない。各方面に推薦する所以である。
(東京大学名誉教授)
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