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大阪の庶民の暮らしを描いた無頼派作家、織田作之助の代表作「夫婦善哉」の続編が60年ぶりに発見された。改造社を創業した山本家が99年、大量の生原稿を出身地の鹿児島県川内市(現・薩摩川内市)へ寄贈したものの中に所蔵されていた。紅野敏郎・早稲田大学名誉教授らの研究グループの調査でその存在が分かり、現在は同市の川内まごころ文学館に所蔵されている。続編原稿は200字詰め原稿用紙99枚で、題は「続 夫婦善哉」。
「夫婦善哉」は、1940年、戦前に隆盛を誇った出版社「改造社」の雑誌「文芸」に掲載された作之助の出世作。大阪・曽根崎新地の芸者だった蝶子が、若旦那の柳吉と駆け落ちして結婚。剃刀屋や果物屋、カフェなど職を転々としながら、甲斐性なしの夫を妻が支える姿を、当時の庶民情緒とともにしみじみと描いた。最後に夫婦が法善寺境内でぜんざいを食べる場面は有名。55年には森繁久弥さん、淡島千景さん主演で映画化。演劇や文楽などでは現在でも人気の演目。
今回、執筆されたものの、掲載を見送られた幻の続編を、正編はもちろん今回発見された続編直筆原稿の影印版、さらに日高昭二教授の解説とともに収録。より織田作之助作品の世界が楽しめる充実の一冊となる。
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