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雄松堂書店出版事業部歴史(一般)>スミソニアン博物館の誕生


私は、ワシントンにスミソニアン・インスティチューションという名前で、
知識の増大と普及に寄与する組織を設立するために、
全財産をアメリカ合衆国に遺贈する。

ジェームズ・スミソン

スミソニアン博物館の誕生

スミソニアン博物館の誕生
―ジェームズ・スミソンと18世紀啓蒙思想
The Lost World of James Smithson:
Science, Revolution and the Birth of the Smithsonian

ヘザー・ユーイング 著/松本栄寿、小浜清子 訳

A5判 上製 416頁 2010年12月刊 ISBN 978-4-8419-0572-4

定価8,400円(本体8,000円+税5%)

イギリスから新大陸へ
「知識の増大と普及」を遺贈した
科学者が見た夢とその人生

 年間延べ2千4百万人以上の来館者数を誇るスミソニアン博物館。
 本書は、アメリカの自由と平等、発展とスケールの大きさを象徴するこの19館の博物館群を生んだ一人のイギリス人の伝記である。
 ジェームズ・スミソンは1765年生まれの科学者。オックスフォードですでに教師を凌ぐほどの知識を有し、22歳という若さで権威ある学会ロイヤル・ソサイエティへの入会を認められる。父親はイギリスの名門貴族ノーサンバーランド公、母方はヘンリー8世の末裔にあたり、自ら「イギリス最高の血」と呼んだ華麗な出自と経歴を持つ彼が、なぜイギリスではなく新興国アメリカ―それも彼自身一度も足を踏み入れたことのない国―に遺産を贈ったのか。その謎に迫る。
 1865年、南北戦争真っ只中に起きた火災により遺品が焼失して以来、彼の人生は謎に包まれたまま、忘れ去られてしまったが、今日これほどまでの組織に成長したスミソニアンを生んだ彼に魅せられた著者が、ヨーロッパ各地を練り歩き、学生名簿から学会員名簿、各国の出入国記録をめくり、彼が知人や学者仲間に送った書簡を繙き、母親の裁判記録を発見。
 大西洋を越えて今もスミソニアンのキャスルに眠る彼の人生を辛抱強くかつ綿密に掘り起こし、ナポレオン戦争に荒れるヨーロッパを舞台に、啓蒙思想に燃えた一人の科学者の姿を活写する。

本書の内容

第1章 王家の血筋 ―外国生まれが意味するもの
第2章 オックスフォード ―前途有望な科学者
第3章 海の大聖堂スタッファ島
第4章 火のような科学
第5章 科学と革命
第6章 グランドツアー ―鉱物学に魅せられて
第7章 世界市民 ―科学者との国際的な交流
第8章 戦争の嵐
第9章 生と死の狭間で
第10章 新しいタイプの化学者
第11章 「個人の悪徳は公共の利益」
第12章 遺書 ―ポンドの数奇な運命
 第13章  アメリカ ―南部の反対と電話の発明家ベルの奮闘


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