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ジェイムズ・ジョイス(James Joyce, 1882-1941)が著した20世紀モダニズム文学の金字塔であり、小説の歴史における重要な分岐点を画した擬似英雄叙事小説。ホメロスの「オデュッセイア」の構造を借りて、1904年6月16日のダブリンでの平凡な一日における登場人物の意識の流れを徹底的に描き尽くした本作は、1918年からのアメリカの雑誌「リトル・レヴュー」に連載されたが、1920年には風俗を害するという理由で裁判沙汰になった。この時点で、当時この雑誌のヨーロッパ通信員だったエズラ・パウンド(Ezra Pound, 1885-1972)がジョイスが執筆する上での援助をしたことは有名である。連載された4号分が当局により押収、消却という憂き目を見てもジョイスの創造力、創作欲は衰えることはなかった。裁判沙汰を恐れずに出版に踏み切ろうとする出版社を探す努力を続けながら、加筆、訂正、構造やスタイルの変更を繰り返して作品に磨きをかけていった。 |