フランス、パリ 1415年頃 羊皮紙彩飾写本 166葉 178 x 133 mm
・「ブシコーの画家」工房による大型の細密画14点
15世紀初頭のパリにおける最も偉大な画家の一人である「ブシコーの画家」(Boucicaut Master) からの直接の影響を感じさせる細密画が入れられた時祷書。「ブシコーの画家」の名は『ブシコー元帥の時祷書』(ジャクマール=アンドレ美術館蔵)に由来し、遠近法を取り入れた斬新な画法で画面の奥行を開拓したことで知られる。本書は「ブシコーの画家」と共通の人物モデルを用いているものの、背景については「ブシコーの画家」本人による作品とは異なっている。このことから、工房に所属する弟子は、師匠の人物モデルを使用しつつ、背景など人物以外の部分についてはかなりの自由が許されていたと推測できる。「ブシコーの画家」工房の製作法には未解明の点が多く、今回のように、これまで記録にない写本が登場することの意義は大きい。