イタリア、ローマ 1480-90年頃 羊皮紙彩飾写本 185葉 74 x 109 mm
・アッタヴァンテ・デッリ・アッタヴァンティによる挿絵入り頭文字3点
ヴァザーリが「優れた判断力、デザイン、そして何にも増して比類ない繊細さで施された色彩、この時代にこれ以上に完璧な細密画は見当たらない」と絶賛したフィレンツェの細密画家、アッタヴァンテ・デッリ・アッタヴァンティ (Attavante degli Attavanti) による挿絵入り頭文字3点を収めた小型の時祷書。金入りの頭文字に加え、赤字部分も金箔で仕上げられた本書は、比較的装飾が少ないにも関わらず、非常に豪華な注文だったと推測される。3点の装飾頭文字は本文の主要な区切りに設けられ、それぞれ「聖母マリア小聖務日課」冒頭には「聖母子」が、「死者のための小聖務日課」冒頭には「大鎌を持つ『死』」、「悔罪詩篇」の冒頭には「ダビデ王」がいずれも胸像で描かれている。ダビデ王の細密画は特に優れ、異国風の衣装に身を包み、大きな髭、垂れ下がった眉を持つ老人像はアッタヴァンテが好んで描いたもので、しばしば同時代人の肖像画にも登場する。アッタヴァンテは、1483年から1520年にかけてハンガリー王、ポルトガル王、教皇レオ10世をはじめとする最高位の人物のための写本装飾を手がけており、彼の名に帰せられる写本は実に1,000点以上にのぼる。