フランス、パリ 1500年頃 羊皮紙彩飾写本 165葉 173 x 112 mm
・典礼暦の細密画12点、全頁大の細密画9点、縁飾り付小型の細密画21点
16世紀初頭に枢機卿のアンボワーズ (Georges d'Amboise) のために製作したことで知られる画家ジャン・ピショレ (Jean Pichore) による彩飾が施された写本。細密画に見られる洗練された仕上がり、大きな色白の顔を持つ人物、豊かな髪を後ろに束ねた女性像などはピショレ固有のものである。典礼暦部分の細密画には各月の労働と十二宮の象徴がしばしば同じ画面に描かれており、写本の持ち主夫婦が計4回にわたって細密画の中に現れているなど、本書の細密画には特筆すべき点が多い。特に「とりなしの祈り」の一連の細密画は本書の中でも最も質が高く、縁飾りには個人的な象徴と思われる薔薇、金槌、コンパスと思しき金属製の道具などが描かれている。組み紐模様などフランシスコ会的モチーフが多く現れ、持ち主の肖像に見られる衣装などから、王室周辺の人物のために作られた可能性が高い。