Interview

研究者としてのコレクター

志賀直哉の署名本5冊──今回は日本近代文学特に白樺派の研究家でもいらっしゃる早稲田大学名誉教授 紅野敏郎先生に紹介していただきました。先生は稀代の本の収集家でもいらっしゃいますが、その大変な数の本の中から、作家とのご親交によって、かけがえのない本となった5冊を紹介していただきました。


■今回は志賀直哉の署名本ということで5冊ご紹介頂いたのですが、やはりご研究の主軸である志賀直哉の署名本ということで、ひときわ大切になさっているのでしょうね。


そうですね、ただ、署名本で価値が高いから愛着があるというよりも、その作家との接触の中で自然な形で署名していただいたものですから、この本を見ると、その作家との直接の交流の場面が目に浮かぶので大切にしています。


■署名本の紹介文を拝見させていただいて思ったのですが、先生は本棚に大切にしまっておくといったコレクターではなく、実際に読み、利用する本を集めていらっしゃいますね。


私は研究者の立場ですから、仕事の一つとして実用性を重視して使うことが多いのです。豪華本、特殊本のコレクターとは少し違いますね。作家・作品研究などの場合は大正10年だったら10年、大正2年だったら2年に出版されたその時代に立ち戻って、当時の本を手に入れる必要があるんです。そのころの習慣や流行、本の作り方や出版状況を十分に視野に入れて、その時代の雰囲気を我が体にしみ込ませないといけないのです。




●研究者としてのコレクター ●時代の微妙な問題が浮かび上がる当時の本 ●志賀直哉本の豪華さとは ●本に見る画家との親交 ●志賀直哉処女作品集「留女」 ●志賀直哉の印象 ●親交の中で頂いた「動物小品」 ●「求めていれば本のほうからやってくる」 ●「求め続けている」本について ●自然な生活態度が「本」を求める ●現代の出版状況に関して一言 ●志賀直哉その人について


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