Interview

志賀直哉本の豪華さとは


■この「映山紅」も大分、個性的な渋みのある本ですね。


この本はとても豪華な本なんですよ。志賀さんの小林古径宛の署名本です。古径が亡くなって、売りに出たのでしょうね。もったいない話だけれど。僕は昭和48年頃、古書店から目録で手に入れたと記憶しているのですが。


■見た目よりとても軽い本ですね。


すべて和紙で出来ているからでしょう。この本は奥付を見るとその豪華さがよくわかるんです。全て手漉きですし、表紙も多分織ったものではないでしょうか。活字工作:石坂憲一、丹羽兼弘・・・この活字は写植でなく木活字なんですよ。


■つまりこの本の為に全部活字を彫ったということですね。ちょっと信じられませんね。


山沢仁三郎という刷り師が刷っている。一見して漢籍のように見える渋い趣味の本で、派手な豪華さはない。志賀の本は基本的に堅牢な豪華さがあるんですよ。華麗な造本だけれど、弱々しい「胡蝶本」とは一線を画していますね。




●研究者としてのコレクター ●時代の微妙な問題が浮かび上がる当時の本 ●志賀直哉本の豪華さとは ●本に見る画家との親交 ●志賀直哉処女作品集「留女」 ●志賀直哉の印象 ●親交の中で頂いた「動物小品」 ●「求めていれば本のほうからやってくる」 ●「求め続けている」本について ●自然な生活態度が「本」を求める ●現代の出版状況に関して一言 ●志賀直哉その人について


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