Interview

親交の中で頂いた「動物小品」


■志賀直哉のお宅には何度もいらしたんですか。


何度も伺ったおかげで奥さんも信頼して下さって、没後の全集を岩波で作るとき、武者小路実篤、梅原龍三郎、滝井孝作、尾崎一雄、谷川徹三などの人々の編集者のうしろに加えて頂いたりしました。この「動物小品」もお宅に伺ったとき、ちょうど刊行された直後だったので頂いたものですよ。昭和41年、彼の晩年の本ですね。


■先ほど拝見させていただいたのですが、小振りですがとても趣味のいい本ですね。函に使われている和紙も素朴な印象を受けますが立派なものですし。


これも志賀本の中ではかなり贅沢な本ですね。実はこの和紙、特漉きのもの。この本は限定160部という形で出版されたんです。


■短篇集なので2、3篇読ませていただいて思ったのですが、行間がゆったりととられていて、それが何ともいえない味になっている感を受けました。文庫になったら読み流してしまいそうな部分を、居住まいをただしてじっくりと読んでみなくてはという気がしてきますね。


別に居住まいをたださなくても、寝っころがって読んでもいいんですよ。(笑)
まあそれは冗談として、研究をするには日常の活用本として使いこなすことが大切です。いわゆるコレクターであったら丁寧に並べて、人にさわらせないようにと・・・そういう人もいなくはないでしょうが、私の場合は、本の収集は必ず研究活動とどこかで結びついているように心がけています。


■他にも志賀直哉から直接頂いた本がありますか。


「動物小品」以外だと「枇杷の花」ですね。その本の「あとがき」に書いてありますが、私と新潮社の編集者が志賀さんに託されて編集したものなんです。昭和43年頃かな・・・。今回紹介したその他の本は古書店でみつけたものです。




●研究者としてのコレクター ●時代の微妙な問題が浮かび上がる当時の本 ●志賀直哉本の豪華さとは ●本に見る画家との親交 ●志賀直哉処女作品集「留女」 ●志賀直哉の印象 ●親交の中で頂いた「動物小品」 ●「求めていれば本のほうからやってくる」 ●「求め続けている」本について ●自然な生活態度が「本」を求める ●現代の出版状況に関して一言 ●志賀直哉その人について


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