■その願い続ける長さがあるからこそ愛書家には“求める”本が寄って来るのでしょうか。普通の人などはとても欲しい本を10年も願い続けるということは難しいですね。本が寄ってくる前に忘れてしまうといったところでしょう。ところでまだ“求めている”本はたくさんあるのでしょうか?
今の研究上必要であるものもあるし、今すぐには役に立たないけれど、やはり関心のある作家は集めておいたほうがいいだろうと考えますね。谷崎の初版本などはまだ全部集まっていないのでともかく出来るだけ全部と考えています。荷風になると、発禁本などあって高いんですよ。全部集めたいのだけれど、高いのでとても手が出ないものもある。それから今はもう脚光を浴びてないけれど、当時活躍していた人々の作品を集めてみたいです。文庫本にも全集にもなってない、入っていたとしても一冊だけだとか、すぐに絶版になってしまう人ですかね。たとえば加能作次郎、今、文庫本にはどこにも入っていないんですよ。この人、当時は相当読まれていたんですが、次の時代にはがらりと読まれなくなってしまう。勿論理由があってのことですが、作品の再評価に努めると新しくよみがえってきます。
■やはり、まだまだ熱心でいらっしゃいますね。