Interview


自然な生活態度が「本」を求める


■先生はやはり子供の頃から本好きだったのでしょうか


いやそれほどでもないですね。昔の旧制中学に行こうと思えば勉強しなくてはならなかったですし、それから戦争があって・・・やりたい事のやれなかった時代でしたからね。だから戦後、それまで本に飢えていたからこそ、本をたくさん読むようになったとも言えますね。僕は兵隊にとられて捕虜生活を1年半ばかりしているので、終戦後日本に戻ってきたときは24、5になってましたかね。それから大学の国文科に戻って・・・そして本を読み始めたんです。はじめは勿論、文庫本ですよ。戦後、まずは食べることでした。本を集めるようになったのは、昭和30年前後からですよ。


■そうした本との関わり合いはもう60年近くになるという訳ですね。こう申しては失礼かも知れませんが、研究・・・つまり仕事と自分のやりたいことが人生の一貫したひとつのテーマになっているのは本当にうらやましいことだと思います。やはりそうなるための努力は惜しまなかったのでしょうか。


努力はしたかもわかりませんが、僕には自然な生活態度であったわけで・・・野球選手のようにいつも練習や訓練しているような形ではなくてね。毎日の自然の積み重ねで、こういう生活ができあがったのだと思っています。そのかわり僕は麻雀も知らない、ゴルフもやらない。唯一の娯楽といえることは、映画や演劇鑑賞。でもこれも考えてみると自分の研究にどこか重なってますね。




●研究者としてのコレクター ●時代の微妙な問題が浮かび上がる当時の本 ●志賀直哉本の豪華さとは ●本に見る画家との親交 ●志賀直哉処女作品集「留女」 ●志賀直哉の印象 ●親交の中で頂いた「動物小品」 ●「求めていれば本のほうからやってくる」 ●「求め続けている」本について ●自然な生活態度が「本」を求める ●現代の出版状況に関して一言 ●志賀直哉その人について


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