雄松堂書店
会社概要所在地カスタマーサービスセンターお問い合せEnglish
Y-08020

国際共同企画

【マイクロフィルム版+DVD版】






張学良関係文書









西安事件・中華民国史に新視角
「張学良関係文書」を推薦する



早稲田大学 社会科学総合学術院教授 劉 傑



 中国の抗戦路線を決定づけ、近代中国の進路を転換させた1936 年12 月の西安事件は、70 年間が経った現在も歴史家の関心を集めている。西北剿匪総司令代理だった張学良は、蒋介石に内外政策の変更を迫るために、蒋を監禁するという非常手段を選択したが、事件の解決とともに政治の表舞台から消失し、50 数年に及ぶ軟禁生活を甘受せざるを得なかった。台湾の民主化が進んだ結果、1990年代張学良は自由な身になりハワイに移住したが、2001 年にハワイで死去するまで、事件の真相について語った録音テープや、生涯の活動を記録した史料をニューヨーク市にあるコロンビア大学に寄託したものの、早期の公開を頑なに拒んだ。
 2002 年6 月コロンビア大学は張学良関係史料の一般公開に踏み切った。史料には蒋介石・宋美齢・孔祥煕・宋子文などの要人との往復書簡、手記、日記、写真などが含まれる。カバーする時期は1930 年代から2001 年までの70 年間に及ぶ。私は在外研究中にコロンビア大学でこれらの史料を閲覧したときの感動を今も鮮明に覚えている。西安事件、蒋介石、国共関係に対する張学良の複雑な思いが、史料を通して閲覧者に生々しく伝わってくる。このたび、雄松堂書店・センゲージ ラーニングが張学良関係史料をマイクロフィルム化し、世界の研究者に利用しやすい形で提供することは、中国近代史や日中関係史の研究にとって誠に悦ばしいことである。これらマイクロフィルム化された史料群以外に、張学良の口述記録も近々公刊されると聞く。
 一連の史料は中国近代史に大きな足跡を残した人間張学良の人物研究にとって不可欠な材料であり、また、西安事件の再検討や終戦後の中華民国(台湾)の歴史に、新たな視角から検証することにとっても極めて貴重な情報源である。 









画期的な史料群をデジタルファイルで提供



中央大学 総合政策学部准教授 服部 龍二



 かつて若き日に中国東北に君臨した張学良(1901-2001)は、大いに興味をそそられる人物であろう。張作霖の長男であった張学良は、1928年の張作霖爆殺事件後に南京国民政府と合流したものの、満州事変で地盤の東北を失った。中国共産党との内戦停止を主張し、1936年に蒋介石を監禁した西安事件は、歴史上あまりにも有名である。抗日統一戦線の形成に貢献した張学良だが、その後は軟禁状態が続いて台湾からハワイへと渡った。20世紀の中国史、ひいては日中関係を象徴する人物のひとりといってよい。
 張学良がハワイで2001年に他界し、関係文書がニューヨークのコロンビア大学で公開されたとき、現地に足を運んで史料を閲覧してみたことがある。西安事件が起こった1930年代から死去する2001年まで、5,000件もの膨大な史料群に圧倒される思いであった。貴重な史料であることはまちがいないのだが、複写に遺族の許可を要するなど不便なところもあり、不十分な調査のまま後ろ髪を引かれるようにコロンビア大学をあとにした。個人で現地調査することの限界から、あまり張学良関係文書を活用できずにいたのである。
 その張学良関係文書が刊行される意義は明らかに大きい。書簡や手記、日記はもとより、キリスト教徒となった張学良のノートや学習記録、みずから切りはりした新聞のスクラップブックまで網羅的に収録されている。聞けばマイクロフィルムと同時にDVDをつけてくれるという。マイクロフィルムの内容はデジタルファイル化され、DVDにすべて収録されるとのことであった。早速、デジタルファイルを開いてみたところ、書簡から写真にいたるまで、貴重な史料群が鮮明なカラーで浮かび上がってきた。日本に居ながらにして、それもパソコンで、張学良関係文書を本格的に分析できるようになったのである。歴史研究に新たな時代が到来したことを感じさせるものといえよう。




[ご注文に際して]   お問い合せ]   [張学良関係文書のトップへ]
[マイクロ分野別索引]   [海外学術書のトップへ]   [雄松堂HPのトップへ]