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私が国立教育会館館長として在職した1980(昭和55)年から1988(昭和63)年の8年間に手がけた事業の一つに、情報関係事業がある。
それまで、コンピューターの世界ましてやデータベースなどという分野に疎かった私の目をその方面に向けるきっかけとなったのが、1983(昭和58)年から1985(昭和60)年の3年間、当時埼玉大学教授の手塚晃氏を研究代表者とする文部省科学研究費によるプロジェクト「明治期における西欧科学文明の日本社会への取り組みの構造の研究」であった。
この研究は、日本の近代化という大きな社会変革をもたらした要因の一つは西欧科学文明を取り込むことを通して行われ、その具体的動向の把握は、そうした新しい文明の担い手となったと思われる来日外国人と日本人海外渡航者を分析することによって、何か大事な知見が得られるのではないかという認識のもとに行われたものであった。
これにより開発されたのが「来日外国人」と「海外渡航者」の二つのデータベースであった。前者は当時東京学芸大学図書館専門職員武内博氏からデータをご提供いただき、後者は教育会館の石島利男兄がデータの収集・整備にあたった。
この二つのデータベースはその後紆余曲折をたどったが、このたび石島兄の大変な努力によって、「海外渡航者」について、追加されたデータによって再び世に表されることとなったのは、このデータベースの成立と運用・管理にいささかかかわった者の一人として大変喜ばしいことである。
当初の科学研究費のチーム、特に研究代表者として研究を推進し、昨年惜しくも亡くなられた手塚晃氏、データベースの作成にご尽力いただいた金沢工業大学の北村彰氏をはじめ多くの関係者に感謝申し上げるとともに、このデータベースが日本の近代化の過程の解明に少しでも寄与することができれば幸いである。
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